典礼とは?

2019年8月7日

 今日、ローマ・カトリックでいう「典礼」とは、教会の定める規則(注1)に従って行なわれる公式の礼拝式のことで、個人的な祈りとして、ロザリオを唱える等の信心とは区別されています。

 ミサ聖祭が中心となるが、その他に洗礼式、結婚式等の秘跡の授与といわれるものや、行列、祝別式、聖体賛美式、司祭・修道者に課せられる「教会の祈り」と呼ばれる時課なども含まれる。

 ミサ聖祭を例にとれば、キリスト者の信仰の中心となる「主キリストの死と復活」が、過去の出来事としてではなく、キリストの代理者である司祭の手を通して祭壇上の捧げられるパンとブドウ酒の形の内に、聖霊の働きによって主キリストが現存し、「死と復活」が実現することを信仰する祭式である。

 キリストの神秘体である教会は、その中に働く聖霊により、その祭式をもって神に相応しい賛美と感謝の礼拝をささげ、秘跡をもって人間にキリストの救いを取り次ぐ。

(注1) 典礼に関して教会は、典礼憲章にもとづいて、典礼法規、典礼書、典礼暦、典礼色、典礼聖歌等を定めている。

(参考文献)

○ ジョン・A・ハードン編著 A・ジンマーマン監修 浜寛五郎訳 「現代カトリック辞典」1972年 エンデルレ書店
○ 小林珍雄著 「キリスト教百科事典」1960年 エンデルレ書店
○ 「世界大百科事典」平凡社