天使ミサとは?

2019年8月7日

 天使ミサとは、18組のグレゴリオ聖歌ミサ曲中8番につけられた別名でラテン語では「ミサ・ディ・アンジェリス」という。町の教会等では最も親しまれ、日本でもカトリック聖歌集の503番に掲載され、第二ヴァチカン公会議前は大祝日によく歌われていた。ミサの大部分を日本語で行う傾きのある今日でも、荘厳に行う場合にはミサ曲だけは、よく知られた天使ミサを用いる機会も多い。

 ミサは常に同じことばを用いる通常文とミサの種類によって変わる固有文で構成されるが、ミサ曲は通常文の中でキリエ(あわれみの賛歌)、グロリア(栄光の賛歌)、サンクトゥス(感謝の賛歌)、アニュス・ディ(平和の賛歌)がひと組になっている。

 天使ミサの次に、聖母マリアの祝日に用いるクム・ユビロという9番のミサ曲が親しまれ、これもカトリック聖歌集の505番に掲載されている。これらは、イテ・ミサ・エスト(閉祭の挨拶)もそれぞれのキリエの旋律で歌われる。

 毎年の荘厳司教ミサでは二者を交互に用いることとし今年(2000年)はディ・アンジェリスを歌う予定である。

 18組のグレゴリオ聖歌ミサ曲で他に1番の復活節用のルックス・エト・オリゴや、11番のオービス・ファクトル等がやや知られている。また、これとは別に死者のためのレクイエムがあり、これは意向が特定しているため通常文と固有文、全部が含まれている。カトリック聖歌集581番に掲載され、現在でも改訂された第二ヴァチカン公会議後の典礼文に適応させて葬儀ミサなどで時々歌われている。

 荘厳司教ミサのほかに、近くグレゴリオ聖歌のミサ曲が歌われるミサを紹介すると、数は多くないが、時々小教区でも歌われる場合があり、その情報は「ラテン語ミサ情報」のページを参照されたい。

出典

○ GRADUALE ROMANUM 1974年 ABATTA SANCTI PETRI DE SOLESMIS
○ 相良憲昭著 「音楽史の中のミサ曲」1993年 音楽之友社